大学生ぞんぬと見る世界

薬学生として今日も生きています。

諸行無常を知る。

宮部みゆきさんの「龍は眠る」を読みました。

「人の記憶を読むことが出来る」という超能力をもつ少年2人の様子を、雑誌記者の高坂昭吾視点で述べた物語です。

物語には様々な人物が登場するのですが、今回は不慮の事故により言葉を話すことができなくなってしまった女性(七恵)についての描写を紹介します。

商店街のなかほどに、大きなよろず屋という趣のスーパーがあり、七恵は買物の大半をそこですませていた。(中略) 途中で八百屋に寄り、(中略) 柿を一山買った。商談は手振りで済み(中略) 彼女の障害など、なんということもないというふうに見えた。ここは彼女にとって、住みやすい町なのだ。

言葉を話せない人でも住みやすい町。

物語の中では、「言葉という能力を失った人」と「超能力という能力を得た人」が対比されているように感じました。

どちらの人物もそれぞれ悩みがある様子でした。

「普通と違う」ことに僕(たち)は何かしら不安を覚えてしまうし、無意識のうちに「あの人は変だ」と思っているのかもしれない。

講義室の中で、みんなが一様に黒板の方を向いて座っている時に、自分だけ変な向きに座っていることに不安を感じてしまう。

五体満足な自分にはまだ理解できてないことが多い。

 

 

「住みやすさ」という点で実家のことがひっかかりました。

3年前に大学生になって下宿するようになり、

長期休みになって実家に帰るたびに、家の中が少しずつ変化していって、ルールが少しずつ変化していって、せつない気持ちになります。

思い出の家具がなくなっていたり…家の香りが変わっていたり…

家族は昔と変わらず温かいけれど、なんだか落ち着けない。

 

諸行無常」を受け入れる必要がありますね。

綺麗だった銀杏並木が今ではもう丸裸の木しか残っていません。

 

皆さんは今年どんな変化と出会いましたか?