大学生ぞんぬと見る世界

薬学生として今日も生きています。

人はいつ大人になるんだろう

今週のお題「大人になったなと感じるとき」

 

普段は本や映画の言葉をテーマにブログを書いていますが、今日は僕の魅力的な友達の話をしようと思います。

彼は大学に入ってからできた友達で、大学1・2回生の頃はよく遊んでいました。

遊ぶといっても僕たちの共通の趣味はTVをみることなので、僕の家で録画していた仮面ライダーをみたり(仮面ライダーは大人向けだと僕は信じている)、TSUTAYAで借りてきた映画を一緒に見たり、今流行りのTVドラマについて語り合ったり…

彼は阪神ファンで、僕も少し野球をかじっているので、一緒にパワプロを延々とした記憶もあります。なんやかんや共通の趣味が多いことに今驚いている。

彼はわりと怠け者で、勉強もあまり好きそうではなく、テスト前日になってから慌てて詰め込み暗記をするようなタイプでした。

 

そして月日は流れ、僕たちは大学3回生になります。去年の4月の話です。

コロナウイルスの影響により大学はオンライン授業がメインでした。

日課題が波のように押し寄せてきていました。

ただオンライン授業だと自分の好きな時間に講義が受けられるのがいい点ですね。

 

10月になると、一部の講義が対面で行われるようになりました。

そこである事に気が付きます。そう、彼が大学に来ていない!!

始めの2週間頃は、彼がコロナウイルスに感染している?のかとか考えていまして、SNSでちらっと聞いてみました。以下は2020年10月7日のやりとりです。

「さいきん講義室で見ないけどいきてんの?進級できてんの?」

こんな感じで聞いてみました。おふざけ感ありのトークが頻繁に交わされています。

返信はこんな感じ。

「進級してる。生きてる。けど学校にはいない。続きは会えないと聞けないよ♡」

なんだこれは、と。やはり返信もぶっ飛んでいる。

 

ということで会って話を聞くことにしました。

当時僕の家は相当汚かったので、公園のベンチで待ち合わせしました。

カレンダーをみると2020年10月20日の出来事の様です。

f:id:sugizoo:20210115181522j:plain

公園のベンチ(右下)のイメージ

そこでいつものごとく、他愛のない話をしました。あたりが真っ暗になるまで。

今彼が何を考えているのか、何をしているのかについてもたくさん聞きました。

以下のような感じです。

「オンライン講義を受ける中で、自分が何で大学に通っているのか分からなくなった。

 薬学について学んでも、将来製薬企業とかで働きたい、というわけでもない。

 なんなら、将来を見据えたら薬学関連の仕事がAIにとってかわられてしまうかも。

 このままの自分ではだめだし、日本もこのままだとまずい。

 今は20代で一番脳が活性化してる時だから、もっと違うことがしたい。

 大学は今は休学中で、やめるか、あるいは心理学系統に転学したい。

 お前は何で大学に通ってるの?」

 

これを聞いて、僕はこう返事しました。

「俺に君が大学に行きたくなくて、駄々をこねているようにしかみえない」

「君は一年浪人してやっと大学に入ったんだから、親ときちんと相談するべきだ」

「大学に通いながらでも、自分のしたい事をできるのでは?」

「小中高大という決められたレールの上を通る方が無難なのでは」

最後の大学に通う理由についてはもっともらしい事が言えませんでした。

「薬剤師の資格を取るため」に大学に通っている、というと馬鹿にされました。

 

とにかく僕は、彼がこのまま落ちぶれていってしまうのではないか、人生に対して絶望してしまうのではないか、ということが不安でした。

怠け者なイメージが強い彼なので、ほんとに大丈夫なのかと思いました。

だからこそ、彼の考えは全く理解できませんでした。反対もしました。

否定的なこともたくさん言いました。

別れ際に「何かあったら頼ってね、話聞かせて」ということしかできませんでした。

 

そして月日は流れ、つい先日の1月13日のこと。

久しぶりに彼に会いました。年末に大掃除をしたし、外は寒いので今度は室内。

年末に決起集会?がてら会おうとしていたのですが、予定があわず年明けに繰り越してしまいました。(僕はかなりの暇人だが、とにかく彼が忙しいわけです)

そこで彼が今何をしているのか、どう生きているのかいろいろ聞きました。

 

彼は今ボランティアとして、SDGsに関する活動を企業の方としているようです。

また、普段から自分の考えをパワポでまとめて提案したり、ビジネス書を読んで学んだり、社会情勢がどうなっているのかチェックしたりしていると聞きました。

今後の展望もいろいろと聞きました。夢がある話でした。

僕の知っている「怠け者の彼」ではなくなっていたわけです。

僕の知らない世界に行ってしまったような、大人になったように感じました。

 

「大学という、自分を学生として守ってくれる環境」から離れたからこそ、

このままではまずい、という焦りが彼を突き動かしているのかなと感じました。

大学生として、ほのぼの生きているだけではなくて、

将来どうなりたいのか、どう生きていきたいのか、プランが必要ですね。

2021年を皆さんはどう生きていきますか?

 

僕と彼はこう約束しました。

「ギラギラと輝ける人間になれるように、生きていこう」

 

ここまで長々と読んでいただき、ありがとうございました。

彼が今後輝いていくと信じています。(もちろん皆さんも僕自身も!)